Acne

ニキビ

にきびは皮膚慢性炎症性疾患です。
治療せず悪化させると痕が残って、学校でのいじめの原因になったり、不登校の原因になったりします。
ニキビ痕が残らないように早期から治療することが大事です。

にきびの最初の症状は面皰と呼ばれ、毛穴に皮脂がたまった状態です。
毛穴の先が閉じている白色面皰と毛穴の先が閉じている黒色面皰があります。
面皰が炎症をおこすと赤いブツブツになり、さらに炎症がひどくなると膿がたまって膿疱になります。
さらに炎症がひどくなると皮下に膿を持った袋ができたり、硬く大きく振れる硬結と呼ばれる状態になります。
炎症がおさまっても一時的に赤みは残ります。
この赤みは時間とともに消えますが、炎症が強いと盛り上がった肥厚性瘢痕と呼ばれる傷痕や萎縮性瘢痕と呼ばれるへこんだ傷痕が残ってしまうことがあります。

アダパレンは毛穴の皮脂の詰まりを改善し、面皰ができにくくするお薬です。
妊娠している方や妊娠を予定している方は使用できません。

過酸化ベンゾイルは抗菌作用がありアクネ菌に有効な塗り薬です。
抗生物質ではありませんので耐性菌の心配がありません。
またピーリング効果もあり毛穴の皮脂の詰まりも改善しますが、刺激や乾燥などの副作用があります。

にきびがひどい場合は抗生剤の内服を行います。通常は1-3か月内服しますが、症状によってはそれ以上長く内服することがあります。

原因と症状

思春期から青年期にかけて多く、顔面や頭皮などに出現することが多いです。原因としては毛穴のつまり、皮脂の分泌、アクネ菌の増殖によるものがあります。思春期や生理前後のホルモンバランによってにきびが悪化することがよく知られています。ストレスや不規則な生活習慣によってもにきびが出現するため様々な原因によって悪化することが多いです。

治療

にきびの状態によって様々な塗り薬があります。赤くはれてしまったにきびには抗生剤の塗り薬や飲み薬を使用する事が基本的です。しかしながら、思春期のにきびや繰り返してしまうにきびにはピーリング作用がある塗り薬を使用します。これらピーリング作用をもった塗り薬は非常に効果がある塗り薬ですが、保湿が重要であったり、効果が発現するまでに時間がかかったりするなど使用に注意が必要になるため、適切な使用方法が重要となる塗り薬です。そのため、数日から1週間程度でなく、1ヶ月から2ヶ月程度塗り薬を続けることで症状がよくなって行くことが実感できます。思春期のにきびは個人差がありますが10歳頃から20代まで続くことが多く、放置することでニキビ跡が残ってしまうことがあります。そのためこの世代の方は途中で薬をやめずに治療を継続することが重要です。

日常生活の注意点

思春期は特に洗顔が重要となります。1日2回のゆっくりと時間をかけた泡洗顔をおこなっていただくことが大切です。睡眠不足や暴飲暴食などストレスが原因になることも多く、規則正しい生活習慣が重要です。糖質制限などの食事内容によるにきびの改善に関しては現状としてはっきりとした事がわかっておりません。個人の体質によってあうものとあわないものがあるため、ストレスがかかってしまう様な食事の変更をする必要ないと思われます。

日常生活の注意点

ケミカルピーリング

当院ではサリチル酸マクロゴールを使ったケミカルピーリングを行っており、非常に安全な治療となっております。
またいわゆる保険外診療の中では唯一日本皮膚科学会が推奨している治療法です。

アゼライン酸クリーム

アゼライン酸には皮脂分泌抑制作用、角化抑制作用、抗菌活性誘導作用、抗炎症作用といった効果が報告されており、非炎症性・炎症性の皮疹の両方に効果が期待できます。
またアゼライン酸は催奇形性がありませんので、妊娠の可能性のある方でも安心して使えます。使用した際の刺激感も少なく、上記の過酸化ベンゾイルがその刺激感のために使用できない患者でも使うことができます。