Cryptotia , Prominent ear

埋没耳・立ち耳

原因と症状

「埋没耳(まいぼつみみ)」と「立ち耳(たちみみ)」は、耳の形に関する状態を指す言葉で、見た目に違いがあります。これらは先天的な要因がほとんどであり、遺伝的な影響が強いとされています。

埋没耳は、耳が頭の側面に埋もれたように見える状態を指します。耳の外側が頭に近すぎて、耳が目立たない、または完全に隠れてしまっているため、耳の形が平らに見えることがあります。通常、耳介(耳の外側部分)の上部が頭に密接していて、耳の外側が十分に広がらない状態です。

立ち耳は、耳の上部が異常に立っている、または外向きに反り返っている状態を指します。耳の軟骨が過剰に硬直している場合や、耳の上部が後方に引っ張られている場合に起こります。立ち耳の人は、耳が目立ちやすく、外見において少し不自然な印象を与えることがあります。

これらの状態は、見た目に影響を与えるため、外見に対する悩みやコンプレックスを持つ方も少なくありません。しかし、埋没耳や立ち耳自体は健康に直接的な影響を与えることはなく、聴力には問題がない場合がほとんどです。

治療

埋没耳や立ち耳は、特に医療的な問題を引き起こすことはないため、治療が必須というわけではありません。ただし、見た目に対する悩みや心理的な影響を軽減するために治療を希望する場合もあります。治療方法にはいくつかの選択肢があります。

耳介形成術(耳の整形手術)

埋没耳や立ち耳の治療として最も一般的なのは、耳の形を整えるための手術です。耳の軟骨を適切に再構築し、耳を自然な位置に調整することで、耳の形を改善します。埋没耳の場合、耳の上部を持ち上げて形を整え、立ち耳の場合は軟骨の形を変更して、耳をより自然な角度に戻すことができます。

手術の内容:耳介形成術では、耳の後ろの小さな切開を行い、軟骨を修正することで耳の形を整えます。手術後は、数週間にわたり包帯で耳を固定する必要がありますが、通常は入院を必要とせず、日帰りで行えることが多いです。

非手術的治療

小さな子供の場合、手術を行う前に非手術的な方法が試みられることがあります。例えば、耳を後ろに引っ張るテープや、特別なヘッドバンドを使用して、耳の形を改善する方法があります。これらの方法は、成長段階にある子供の耳に有効な場合があり、耳が柔軟なうちに形を整えることが可能です。

手術のタイミング

耳介形成術は通常、子供が5歳から7歳くらいの年齢になってから行うことが一般的です。これは、耳の成長がほぼ完了し、軟骨が硬直する前に行う方が効果的だからです。大人の場合も、問題がない場合は手術を受けることができますが、成長段階が終わった後でも十分に効果が得られます。

日常生活での注意点

埋没耳や立ち耳自体が健康に影響を与えることはありませんが、見た目の悩みを抱えている場合、心理的なサポートや生活上の工夫が有効です。また、治療を行った後も、傷の治癒や回復を促進するために以下の点に注意することが大切です。

治療後のケア

耳介形成術後は、術後のケアが重要です。包帯をしっかりと巻き、術後指定された期間中は耳に圧力をかけないようにする必要があります。また、傷口が感染しないように清潔に保ち、医師の指示に従いましょう。

心理的なサポート

埋没耳や立ち耳に対する悩みが強い場合は、カウンセリングを受けることも有益です。外見に自信が持てるようになることで、社会的な不安や自己肯定感が改善されることがあります。家族や友人に理解してもらうことも、心理的な支えになるでしょう。

治療を考えるタイミング

耳の形が気になる場合や、外見に対して強いコンプレックスを感じている場合、専門の形成外科医に相談することが大切です。手術を検討する際は十分に説明を受けた上で決定しましょう。

耳を保護する

治療後や耳の形を気にしている場合は、外的な衝撃から耳を保護するために注意が必要です。例えば、スポーツや激しい運動をする際は、耳を守るための保護具を使うと良いでしょう。

埋没耳や立ち耳は、見た目が気になる場合がある一方で、健康に問題を引き起こすことはほとんどありません。治療やケアを通じて、外見に自信を持つことができるようサポートいたします。もし耳の形について不安や悩みがある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。