Inverted nipple

陥没乳頭

陥没乳頭

陥没乳頭(かんぼつにゅうとう)は、乳房の乳頭が内側に引っ込んでいる状態を指します。この症状は、見た目や触れた感覚に関して不安を感じることが多く、特に初めて気づいたときには心配になることもあります。しかし、陥没乳頭は多くの場合、健康に重大な影響を与えるものではなく、治療が可能な状態です。

原因

先天的な原因

陥没乳頭は、生まれつき乳頭が内向きに成長することで発生することがあります。これを先天性陥没乳頭と言います。乳腺の発達が不完全であったり、乳管が正常に発達しないことで乳頭が内側に引っ込むことがあります。このタイプの陥没乳頭は、乳房の発育が進むにつれて変化しないこともあります。

授乳や妊娠後の変化

妊娠・授乳後に乳腺の変化やホルモンバランスの影響により、乳頭が引っ込むことがあります。特に初産婦や授乳中の女性に見られることがありますが、乳腺の構造やホルモンの影響によって乳頭が引き込まれることがあります。

加齢

年齢を重ねることで、乳腺や皮膚の弾力が低下し、乳頭が内向きに引っ込むことがあります。加齢による皮膚の弾力低下や組織の萎縮が関与しています。

乳腺の疾患

乳腺に異常がある場合(例えば乳腺炎や乳腺膿瘍)、乳腺の周囲組織が引き締まり、乳頭が引っ込むことがあります。この場合、疾患が治癒すると乳頭の陥没も解消されることがあります。

外的な圧力や手術の後遺症

過去に胸部の手術を受けた場合や、事故などで乳房に強い圧力がかかった場合も、乳頭が引っ込むことがあります。

症状

乳頭が引っ込んでいる

陥没乳頭の最も特徴的な症状は、乳頭が乳房の表面から内側に引っ込んでいることです。引っ込む程度には個人差があり、軽度のものから完全に内側に引っ込んでしまうものまでさまざまです。

見た目の不安

乳頭が引っ込んでいることで、見た目が気になる場合があります。特に授乳期や裸で鏡を見るときなど、外見に対する不安を感じることがあります。

授乳の際の困難

陥没乳頭が深刻な場合、授乳が難しくなることがあります。赤ちゃんが乳首をうまく吸い付けられず、授乳がうまくいかないことがあります。この場合、授乳に支障をきたすことがあるため、授乳を希望する方には特に気になる症状となります。

痛みや違和感

一般的には痛みを伴うことは少ないですが、乳腺に異常がある場合や、乳頭が強く引っ込んでいる場合には、圧力を感じたり、痛みを感じることもあります。

治療方法

保存的療法

乳頭矯正具の使用:軽度の陥没乳頭の場合、専用の矯正具を使用することで乳頭を外に引き出すことができる場合があります。この方法は、時間をかけて矯正し、乳頭の形状を改善することができますが、効果には個人差があります。

外科的治療

乳頭形成手術:乳頭の引っ込んだ部分を外に引き出すために手術を行う方法です。この手術は、陥没乳頭の程度がひどく、他の治療法で改善しない場合に選択されます。手術では、乳腺や周囲の組織を整えることで、乳頭を外向きに形成します。手術後は、見た目が改善され、授乳も可能になることが多いです。

日常生活での注意点

陥没乳頭を改善したり、予防したりするためには、日常生活での注意点がいくつかあります

適切な授乳姿勢を取る

授乳期に乳頭が引っ込んでいる場合、赤ちゃんがうまく吸いつけないことがあります。授乳時に赤ちゃんの口が乳首をしっかりと覆うように工夫することが大切です。また、乳頭が引っ込んでいる場合でも、矯正具を使って授乳を補助する方法もあります。

早期に専門医に相談する

陥没乳頭が原因で授乳に支障が出ている場合や見た目が気になる場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。適切な治療方法を選ぶことで、生活の質を向上させることができます。