Nevus of Ota

太田母斑

太田母斑

太田母斑(おおたぼはん)は、顔の一部に現れる青や茶色がかった色素斑で、生まれつきある場合や成長とともに目立つようになることがあります。見た目が気になる方が多く、治療を希望されることが少なくありません。

原因

太田母斑は、皮膚の深い部分(真皮)にメラニン色素を含む細胞が多く存在することで生じます。このメラニン細胞が正常な状態よりも増加したり、特定の場所に集まったりすることで、肌に青みがかった茶色や灰色の色斑が現れます。遺伝的な要素やホルモンの影響が関与している可能性も指摘されていますが、はっきりとした原因は完全には解明されていません。

症状

太田母斑の特徴は以下の通りです。

色の特徴

青、茶色、灰色が混じり合ったような色調で、顔の片側に現れることが多いです。

部位

頬やまぶた、額、こめかみ、鼻など顔全体に広がることもあります。まれに白目や口の粘膜にも色素が現れることがあります。

進行

色の濃さや範囲は個人差がありますが、年齢を重ねると濃くなることがあります。一方で、痛みやかゆみなどの身体的な症状は伴いません。

治療

太田母斑の治療には、レーザー治療が最も効果的とされています。レーザーは皮膚の深い部分にある色素を分解し、色斑を目立たなくすることを目指します。

レーザー治療の特徴

〇複数回の治療が必要
太田母斑は色素が深い位置に存在するため、1回の治療で完全に消えることは少なく、5~10回以上の治療が必要になる場合があります。治療は3ヶ月おきに行い、徐々に色を薄くしていきます。


〇個人差がある結果
治療を重ねることでほとんど目立たなくなる方もいれば、色が完全に消えずに薄くなる程度で止まる場合もあります。

注意点

レーザー治療後は一時的に赤みやかさぶたができることがありますが、数日から数週間で改善します。また、治療部位をこすったり紫外線を浴びたりすると、色素沈着を引き起こす可能性があるため、アフターケアが重要です。
当院での治療に関して詳しくは<レーザー治療のページ>をご参照ください。

日常生活の注意点

太田母斑に関して日常生活の注意点は特にありません。レーザー治療後は治療後の経過を確認することが大切で、必要に応じて追加の治療を行うため、定期的に受診をお願いしています。

最後に

太田母斑は健康に影響を与えるものではありませんが、見た目が気になることで治療を希望される方が多い疾患です。レーザー治療は効果的な選択肢ですが、治療には時間がかかることや、結果に個人差があることを知っておくことが大切です。