Seborrheic keratosis

老人性いぼ

老人性いぼ

老人性いぼとは、一般的に加齢に伴って皮膚に現れる良性の腫瘍で、正式には「脂漏性角化症」と呼ばれています。見た目は茶色や黒っぽい、平らまたは盛り上がったいぼのような形状をしており、特に中高年以降の方に多く見られます。

原因

脂漏性角化症は、皮膚の細胞が過剰に増殖することによって発生します。この疾患の正確な原因は完全には解明されていませんが、主に以下の要因が関与していると考えられています。

加齢

脂漏性角化症は、特に中年以降に見られることが多いです。年齢とともに皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が遅くなり、皮膚細胞が正常に剥がれ落ちずに堆積してしまうことが一因です。

遺伝的要因

脂漏性角化症は家族内で発生することが多く、遺伝的な要因が関係していると考えられています。

紫外線の影響

長年にわたって紫外線にさらされることで、皮膚の細胞が異常に増殖し、脂漏性角化症が発生しやすくなります。紫外線は皮膚のDNAにダメージを与え、細胞の異常増殖を引き起こします。

ホルモンの影響

ホルモンバランスの変化も、特に更年期以降に脂漏性角化症を引き起こす要因となることがあります。

症状

脂漏性角化症は通常、以下のような特徴的な症状を伴います

外見的特徴

最も特徴的なのは、平らまたは盛り上がった、茶色から黒っぽい色のいぼです。いぼの大きさは数ミリから数センチに及び、形も不規則で、表面がザラザラしていることが多いです。

複数の発生

脂漏性角化症は、単発ではなく複数箇所に現れることが一般的です。顔や首、胸部、背中、肩など、紫外線を浴びやすい部位に多く見られます。

無症状が一般的

脂漏性角化症は基本的に無痛であり、かゆみや痛みを伴うことはほとんどありません。ただし、大きくなると摩擦や圧力を受けやすく、かゆみや痛みが出ることもあります。

治療

脂漏性角化症自体は良性の疾患であり、通常は治療が必要ないことが多いですが、見た目が気になる、または摩擦で不快感を感じる場合には治療を検討することができます。治療法としては以下の方法があります。

冷凍療法

液体窒素を使っていぼを凍結させ、治療する方法です。通常は局所麻酔なしで行われ、数回の施術でいぼが自然に剥がれ落ちることが期待できます。

レーザー治療

高精度のレーザーを使用して、脂漏性角化症を除去する方法です。治療後、傷跡が残りにくいという利点があります。痛みも少なく、回復が早いため、人気の治療法です。

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外科的切除

大きくなりすぎて不快感が強い場合や、摩擦でかさぶたができやすい部位にある場合には、外科的にいぼを切除することもあります。局所麻酔を使い、比較的簡単に治療ができます。

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日常生活での注意点

脂漏性角化症を予防するため、または治療後に再発を防ぐためには、日常生活でいくつかの注意点があります。

紫外線対策を徹底する

紫外線は脂漏性角化症を引き起こす要因となるため、日焼け止めをしっかりと塗り、帽子や日傘を使うなどして紫外線を避けることが大切です。

自己判断でいぼを取らない

いぼを無理に取ろうとすると、感染や傷跡が残る可能性があります。もしいぼが気になる場合は、専門医に相談することをお勧めします。