Viral wart

ウイルス性いぼ

原因と症状

ウイルス性のいぼはヒト乳頭腫ウィルス(HPV)が皮膚や粘膜(口や外陰部)に感染して生じます。小さな傷などで皮膚のバリア障害がおきると、そこからウイルスが皮膚に侵入し、皮膚に感染し、増殖を繰り返すことでイボがつくられると考えられています。尋常性疣贅、扁平疣贅、足底疣贅、尖圭コンジローマなど種類があり様々な症状があります。
尋常性疣贅は子供に多くみられるイボで、手足の関節や末端や足の裏によくできます。年齢を問わず発症しますが、特に学童期のお子様に多い傾向があります。ウイルス性イボの中の95%を占めます。
扁平疣贅は青年期に発生しやすく、特に女性に多くみられます。主に顔面に発症し、比較的難治性のイボです。また先端が平らで表面があまりざらざらしていない特徴があります。
足底疣贅は足の裏にでき、皮膚面からやや盛り上がり、表面がざらざら白っぽい色をしています。硬いしこりができるイボで、ヒトパピローマウイルスⅠ型の感染で生じます。
尖圭コンジローマは外陰部や肛門の周囲にできる鶏冠状のイボです。痛みや痒みを伴うことは少なく、イボに気がつかず感染が広がる可能性がある性感染症です。110種類以上あるヒト乳頭腫ウイルスの種類によって症状がことなります。

治療

一般的には冷凍凝固術を行い治療します。1~2週間おきに数回~10回以上の治療が必要です。そのため完治まで根気の必要な疾患ですが、イボの種類や反応に応じて適切な方法を組み合わせて治療していますので、より早く、より確実にイボ治療をすることができます。液体窒素による冷凍凝固術は多少痛みを伴いますが、その他の治療はさほど痛みがありません。難治性の場合は内服や外用を併用した治療も検討します。

日常生活の注意点

いぼでできにくいように予防するには、普段から皮膚ケアを心がけ肌荒れを起こさないように注意する必要があります。もし感染してしまった場合はウイルス性のイボなので、自分の他の部位や他人にうつる可能性もあります。健康な皮膚には感染しにくいと考えられているので、日常生活では通常通りで問題はありませんが、何度も患部を触ったり傷がある皮膚で触れないように気をつけましょう。