Shingles

帯状疱疹

原因と症状

帯状疱疹は、帯状に広がる水疱(すいほう)を特徴とする皮膚の病気で、原因となるのは「水痘・帯状疱疹ウイルス」というウイルスです。このウイルスは、子どもの頃にかかる水疱瘡(みずぼうそう)によって体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化して発症します。そのため、大人になってから発症することが多いです。
帯状疱疹の初期症状としては、皮膚の一部に痛みやかゆみが現れます。この痛みは、一般的に「鋭い痛み」や「灼熱感」と表現され、通常は片側の体の一部(顔、背中、胸など)に現れます。痛みがひどくなる前に、その部分の皮膚が赤くなることもあります。その後、数日以内に赤い水疱が帯状に現れ、数日間で膿を持つことがあります。水疱が破れると、かさぶたができて治癒しますが、皮膚が元の状態に戻るまでには時間がかかります。
帯状疱疹は、痛みが長引くことがあり、特に高齢者や免疫力が低下している人々においては「帯状疱疹後神経痛」という後遺症が残ることがあります。この後遺症は、発疹が治まった後も神経痛が続く状態です。

治療

帯状疱疹の治療は、ウイルスに対する抗ウイルス薬を使うことが基本です。抗ウイルス薬は、発症後できるだけ早い段階で服用を始めることが重要です。早期の治療により、症状の悪化や後遺症のリスクを軽減できます。
また、帯状疱疹による痛みがひどい場合には、痛み止めや神経の痛みを和らげる薬を使用することがあります。特に、帯状疱疹後神経痛を予防するためには、早期に適切な治療を受けることが大切です。
高齢者や免疫力が低下している人には、帯状疱疹ワクチンの接種が勧められることがあります。このワクチンは帯状疱疹の発症を予防する効果があります。
詳しくは<帯状疱疹ワクチン>のページをご参照下さい。

日常生活の注意点

帯状疱疹にかかった場合、まず大切なのは休養です。ウイルスが活発に働く時期は体力を消耗しやすいため、十分な休息を取ることが回復を早めます。また、発疹が出る部分を清潔に保ち、かきむしらないようにすることが重要です。かきむしることで感染が広がる可能性があり、治癒を遅らせてしまうこともあります。
帯状疱疹は他の人にうつることがありますが、特に水疱が破れて中の液体が出ている間に感染することが多いです。したがって、発疹が治癒するまでは人との接触を避けることが推奨されます。また、水疱が破れた場合、その部分を清潔なガーゼなどで覆い、感染を防ぐようにしましょう。
帯状疱疹は、早期に適切な治療を受けることで症状を軽減し、後遺症のリスクを減らすことができます。もし発疹が現れた場合は、自己判断せずに専門医を受診し、適切な治療を受けましょう。